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せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

滋賀県高島市に行ってきました

先日、研修で滋賀県高島市に行ってきました。
今年で3回目となるこの集い(ワークショップ)。
今回も、東は茨城県から西は熊本県までと多様な参加者10数人。

早速、「かばた見学」というガイドツアーを体験。
今回宿泊もした滋賀県高島市新旭町針江(はりえ)は、
“生水(しょうず)の郷”と呼ばれるほど湧き水の豊富な地域。
集落を巡る水路やその水を利用する“かばた(川端)”や
水辺の暮らしを地元の方が案内してくださるこのガイドツアー。
写真家の今森光彦氏が指揮したNHKの番組で
取り上げられたのをきっかけに一般の観光客が急増。
静かな集落のくらしを守る自警団的な取り組みから、
このガイドツアーは始まったそう。


かばたツアー

集落を流れる川。階段のところ、昔は舟着き場。
バイカモやミクリ類が生え、また
魚が住めるように川底やブロックの法面も工夫されていました。

ガイドをして下さった地元の女性。


かばたツアー

地域の歴史性や生きものについても造詣が深く、
滋賀県の環境に対する意識の高さを感じました。

で、これが“かばた”


かばた

湧き水を利用する場で、各家にそれぞれあるそうです。
コイ等が飼われていて、食器についたごはん粒等を食べてくれます。
各かばたは水路でつながっており、
下流の家の人に配慮する文化がありました。
これからの社会にとても大切なものが、文化として見られる貴重な場所。
プライベートな空間ですが、こうして見学させて頂けることに感謝でした。

次は集落から出て、
「たかしま生きもの田んぼ米」の取り組みを見学。
高島市の多様で豊かな自然環境を活かしながら、
農薬や化学肥料等をできるだけ使用しない米づくり、
生きものとの共生をめざす工夫、といった取り組みを行い、
ブランド化しています。
近江商人の「三方よし」“売り手よし、買い手よし、世間よし”にならい
“農家によし(経営の安定)、消費者によし(食の安全)、生きものによし(生物多様性の保全)”
の関係づくりをめざしています。


たかしま生きもの田んぼ

この日は田んぼを一ヶ所見学。
水田魚道を設置していました。

隣の田んぼでは、琵琶湖畔の平野部にもかかわらず、
水路(下写真手前)にはカスミサンショウウオが産卵しているらしい。


たかしま生きもの田んぼ

ビオトープ田んぼには、池や溝が芸術的に配置され、
カヤの生えたところはカヤネズミの住みかとしているそうです。


たかしま生きもの田んぼ米
取り組みに参加している農家さんは、
それぞれ自分の田んぼの「自慢の生きもの」を
3種選んで、できる範囲での保全策に取り組んでいます。

続いて、
「高島市新旭水鳥観察センター」


水鳥観察センター

喫茶でコーヒーを楽しみながら、琵琶湖の水鳥を観察できる
贅沢スポット!


水鳥観察センター

オオバンやコガモ、サギ類など、時間を忘れて
水鳥とコーヒーをじっくり堪能です。


水鳥観察センター

豊かな湧き水を活かした
酒蔵も見学。


酒蔵

“蔵つき酵母”で醸すお酒。
「木槽天秤しぼり」というしぼり方で、ゆっくりしぼります。


木槽天秤しぼり

酵母という目には見えない小さな生きものですが、
この蔵にはたくさんいるんだなぁ、となんとなく感じちゃいます。
しぼりたてのお酒と酒かす、とてもよい香りでした。

夕食は、琵琶湖の幸、生物多様性を味わうワークショップ。
こちらは地元で“とんぼ”と呼ばれる日本在来のコイ。


コイ

イワトコナマズ。

イワトコナマズ

ビワマス。

ビワマス

絶滅危惧種に指定されている魚もありましたが、
大切な地元の食文化でもあります。
ブラックバス等の外来種問題をはじめとして、
これらの魚、そして魚を漁る、食べるという文化も
危機にあります。


夕食WS

“生物多様性を守る”ということは、
単に、生きものや自然環境を守ればよい、ということではなくて、
私たち人が自然とどのような関係性を育んでいくのか、
その関係性を受け継いでいく、ということが大切です。
食文化など、自然を利用する知恵はその1つ。
地域の自然・生きものは大切だ、と感じ行動する
人がいて、はじめて“生物多様性”は活きてくるのだと思います。

人と自然の関係も、何千年、何百年と続いて出来てきたもの。
世羅台地の米づくりも千年以上の歴史があります。
それぞれの地域の生きものたちも、
その背後には、遠大な歴史性「時間」が、実は存在しています。
人の手ではどうすることもできない「時間」。
そこに、身近な自然・生きものたちを大切に思うヒントが
あるような気がします。
なんでもない壷も、時間がたてば「お宝」になったりしますしね。
その価値を訴え共感を呼ぶ「鑑定団」のような取り組みが、
これから必要ではないか、と思いました。



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  1. 2012/03/31(土) 17:59:14|
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コメント

2012年8/4(土)山門水源の森 現地交流会のご案内

琵琶湖の固有種ビワマスを育む「山門水源の森」を訪れます。8月上旬の湿原は、サギソウが咲き始める頃です。みなさんのご参加をお待ちしています。

http://www.pref.shiga.jp/d/rimmu/moridukurinet/event/h24/yakamado_240804.pdf
  1. 2012/07/22(日) 16:29:31 |
  2. URL |
  3. 滋賀県 山門水源の森 #pQfpZpjU
  4. [ 編集 ]

Re: 滋賀県 山門水源の森 さま

はじめまして。
イベントのご案内、ありがとうございました。
私はこの研修会で初めて滋賀県を歩いたのですが、
とてもステキなところでした。
また交流できればいいですね。
  1. 2012/07/24(火) 13:59:07 |
  2. URL |
  3. 自然観察園管理人 #-
  4. [ 編集 ]

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