↑例年ならこの時期にはいないはずの子ネズミが巣の中で見つかった。
12月14日(金)、JA尾道市御調営農センターと御調中央小学校5年生とで御調町鈴地区でカヤネズミの調査を行いました。
↑子ネズミがいた巣が見つかったメリケンカルカヤが生えた休耕田
これは環境省が全国で行っているモニタリングサイト1000という市民による調査活動で、調べることを通じて身近な自然を守ることを目的として行われています。
調査方法はというと、ススキやチガヤなどの茅(カヤ)が生えている田んぼの畦や休耕田でカヤネズミの巣を探すというものです。
↑適度に草刈りをされた斜面にはススキやチガヤが茂りカヤネズミの格好の住みかとなる
↑ススキやチガヤの葉を材料に作られたカヤネズミの巣
カヤネズミは日本最小のネズミで体長は約5cm。
ススキなどイネ科植物の葉を巧みに使って球状の巣をつくります。
↑メリケンカルカヤの穂は子ネズミにとってはふかふかのベッド
田んぼの稲で巣を作ることもありますが、エサはヒエなどの雑草の種や小さな昆虫などで、稲は食べません。
この日、5年生30人で1時間ほど調べた結果、14個の巣を見つけることができました。
例年であれば、この時期子育てが終わっているはずなのですが、巣のひとつに体長3cmほどの子ネズミが見つかり、みんな大喜び。もちろん観察した後は元いた場所に返してやりました。
近年、ススキやチガヤの生えた草地が減少し、草地を利用している多くの生き物が数を減らしています。
かつて、ススキは屋根の材料であり、農村には茅場とよばれる採草地がありました。
また、畦や土手に生えた草は家畜の餌として利用されていました。
農家によって適度な草刈りが行われたこうした場所は多くの生き物の貴重な住みかとなっていました。
しかし、草が資源として利用されなくなるにつれ、草地に依存する生き物は減少し続けています。
とはいいながら、解決策がないわけではありません。畦や土手を区画に分け、時期をずらして草刈りを行なえば、カヤネズミが住めるような草地環境を残すことが出来ます。
管理人は60aの田んぼで有機米を栽培していますが、田んぼに隣接する土手の斜面では、こうした草刈りを行っています。
そうのせいかどうかは不明ですが、毎年、トラクターによる春の耕運の時期と10月の稲刈りの際にはカヤネズミに出会うことができます。
Author:自然観察園管理人
2016年4月に二代目"せら夢公園"自然観察園管理人を拝命致しました。家は隣町・尾道市御調町、五反(50a)の田んぼでお米を作る農家もやってます。
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