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せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

ゆめ農業講座第4回「カメムシの調査」


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↑カメムシのすくい取り調査

今年3年目となるゆめ農業講座のテーマは「収量・品質を落とさずに農薬を減らす」です。

生き物も育てる米作りに取り組んでいる世羅町の農業法人「農事組合法人さわやか田打」に殺虫剤を使用しない水田を3枚設けていただき、これまで5月、6月、7月、8月の計4回、殺虫剤を使用しない水田と使用した水田で害虫や田んぼの生きもの調査を行ってきました。

その結果、田植え直後の害虫であるイネミズゾウムシ、一ヶ月後に注意する必要のあるドロオイムシ(イネクビボソハムシ)、梅雨前線に吹き込むジェット気流に乗って日本へ飛来するセジロウンカとトビイロウンカなどの主要な害虫は、殺虫剤を使用していない水田でも使用した水田でもほとんどいないという調査結果となりました。

8月7日の講座では稲の穂が実り始める頃にモミの中身を吸って米粒を変色させるカメムシについて調査しました。結果は農薬を散布する基準を超えるか超えないかギリギリの数を確認しました。

カメムシの発生は収量にはほとんど影響せず、被害は米粒の一部が変色し品質を落とすというものです。被害を品質の低下が変色した米粒(着色粒)が1,000粒あたり1粒までが1等米、2粒以上7粒未満で2等米、7粒を超えると3等米となります。

ですが、着色粒は色彩選別機という着色粒を取り除く機械が開発されており、JAや農業法人、大型農家などの多くで既に導入されています。この機械を利用すれば着色粒があっても1等米に仕上げることができます。


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↑カメムシのすくい取り調査で網に入ったオオトゲシラホシカメムシ

色彩選別機は農事組合法人さわやか田打にも導入されていますので、9月に収穫を迎える殺虫剤を使用していないコシヒカリも、殺虫剤を使用している水田とそん色のない収量と品質が期待できそうです。

最終回は10月20日(土)で、今年の結果のまとめと来年度の取り組みを検討する予定です。

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↑ビオトーチの東屋で講座のまとめを行います。

  1. 2018/08/08(水) 17:29:12|
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