せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

湿地の管理を学ぶために岡山へ出張

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▲岡山県自然保護センターの西本さん(右端)から貧栄養湿地の管理について説明を受ける

11月23日(水)、サポーターズクラブの中島さん、せら夢公園の同僚である竹内さん、広島市植物園の井上さんと岡山県自然保護センター(岡山県和気町)重井薬用植物園(倉敷市)へ、湿地の管理を学ぶために訪問しました。

自然観察園は開園して9年目を迎えていますが、貧栄養湿地では一番の見どころであるサギソウやトキソウの生育の邪魔するチゴザサやイグサが目立ってきました。

これも自然のなりゆきとして経過を見守る手もあるのですが、毎年サギソウを楽しみに多くの方に公園を訪れていただいていますから、できればサギソウの咲き誇る湿地を維持しなくてはと考えています。

そのためには、湿地に足を踏み入れ雑草を抜き取らなければなりません。

ですが、湿地には守らなくてはならないサギソウの株がたくさんがたくさんあり、除草のためにサギソウを踏みつぶしては元も子もありません。

というわけで、自然観察園の湿地を造成する際のお手本にさせていただいている場所で湿地の管理を学ぶことにしました。

そのひとつが岡山県自然保護センターです。ここでは、1991年に貧栄養湿地とやや富栄養な二つの湿地が造成されています。

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▲センター棟に展示された公園の模型。青く見えるところはセンター内のため池で、赤線で囲んだ場所が人工的に造成された湿地のエリア

ここで、植物の研究者で湿地の管理と調査を担当されている西本さんから、いろいろと教えていただくことができました。

主な点は以下のとおりです。(間違っていたらごめんなさい)

・目指すべき湿地の姿を明確にする

湿地は遷移する、変わり続けるものなので、それを観察できる湿地にしてあまり手を加えないという管理もある。不自然かもしれないが、サギソウやモウセンゴケなどの貧栄養湿地特有の植物が優先する湿地を目指すのであれば、これらの植物の生育の妨げとなる植物は常に除去すればよい。

・除草について

サギソウは球根が損傷を受けなければ再生する。踏みつぶすことがあっても球根へのダメージは少ない。
天然の湿地はイノシシの泥浴びなどの攪乱を受けることで状態を維持している。除草の際の足跡や除草に伴う表土の持ち出しは適度な攪乱になり、表土が持ち出された場所も年とともに植生が再生される。
高茎草本はミズゴケの好む日陰をつくりミズゴケが増える。ミズゴケが旺盛になると高茎草本は枯れ、やがてミズゴケも減っていく。ミズゴケを増やさないためには高茎草本を除去することが必要。ただし、アカマツ、イヌツゲ、レンゲツツジなどは湿地の木本科植物なのでセンターでは除去していない。ハンノキは増えるので根ごと抜き取っている。
除草せずに遷移に任せた場合、10年経過すると絶滅する種が生じてくる。センターでは湿地を6つのエリアに分け、一ヶ所は手を入れない場所とし、残りのエリアを5年ごとに除草している。これにより除草後の5年間の移り変わりを一度に観察することができる。

・貧栄養湿地を維持するには水を富栄養化させない
水に溶け込む栄養分の供給源となる広葉樹はできるだけ取り除き、アカマツとツツジが優先する森をつくる。ただし、裸地になるようでは蒸散量が増し湿地への集水量が不足する。

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▲ため池のウシガエルを捕獲するためのモンドリ(地獄網)

もうひとつの訪問場所・重井薬用植物園では、園長の片岡さんより園内を案内していただきながら湿地の管理について教えていただきました。

・湿地の管理
毎年冬に除草し、刈り草は全て湿地の外へ持ち出している。

・木道を設置する際の留意点
木道は水の流れに対して直角になるように設置する。日陰になる木道の下は植物が生えにくいため、木道を水の流れと並行に設置すると木道の直下に水路ができて湿地全体に水が行き渡りにくくなる。

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▲刈った木は虫の棲み処にする。こんな感じで積んでおくと転がしておくより見た目がいい





  1. 2016/12/01(木) 11:04:36|
  2. 公園管理
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