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生物多様性と農薬

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▲数日前の日本農業新聞の記事

数日前、日本農業新聞に「生物多様性の農薬」と題する国立環境研の五箇公一さんのコラムが掲載されていました。

市場に出回る農薬は、藻類、それを食べるミジンコ、ミジンコを食べる魚類という3種の水生生物に対する毒性試験をビーカーレベルで実施しており、毒性試験に使うミジンコは米国原産のオオミジンコ。
あるネオニコチノイド農薬の場合、オオミジンコの半数死亡濃度は85ppmだが、日本のミジンコやトンボ類ではなんと1ppm以下で全個体が死亡してしまう。
オオミジンコで評価しても日本産のミジンコは守れないと。

国立環境研では研究所内に実験用に小さな田んぼを設置し、ネオニコチノイド農薬がトンボの数を減らす負の影響がある事を明らかにする研究結果を発表しています。

(以下 同研究所のページより引用
 国立環境研究所は実験水田を用いて、ネオニコチノイド農薬など浸透移行性殺虫剤が、トンボ類を含む水田の生物相に対してどのような影響を与えるのかを調べました。
 その結果、以下のことが明らかになりました。

①フィプロニルが使用された水田で一部のトンボ種の発生に強い負の影響が見られたこと

②試験薬剤であるクロチアニジン、フィプロニル、及びクロラントラニリプロールはそれぞれ使用された水田内において、その水中濃度は適用後3か月以内に検出限界程度に減少するが、土壌中では栽培シーズン終了時まで比較的高濃度で検出されること

 本研究成果は、現在、国内でも広く使用される浸透移行性殺虫剤が土壌に吸着しやすく、長く留まる傾向が強いことを示すとともに、一部の殺虫剤は水田中においてトンボ相に深刻な影響を及ぼすリスクがあることを示しています。このことは、現在の農薬登録の枠組みにおいて審査を通過した農薬であっても、一部の野生生物に予期せぬ影響をもたらす可能性があることを意味しています。そのような予期せぬ影響をいかに予測可能へと近づけるかが今後の課題であり、種の多様性や生態系の多様性を考慮した農薬のリスク評価システムを構築して行くことが重要であると考えられます。
(以上引用終わり)

農薬は使用方法を守っていれば、農産物を食べる人への影響はないとされていますが、害虫や天敵以外の生き物への影響については十分調べられているわけではありません。
農薬によって農業の生産性は向上しましたが、気がついてみると、身近な田んぼから、いろいろな生き物が姿を消しています。

次回、第3回の"ゆめ農業"先端的環境保全型農業技術講座(7月21日)では、「天敵を増やす畑の技術」と題して農薬を減らすための技術に関する講義と展示圃見学を行います。
あわせて、「農業を通じた皆さんの内なる生物多様性」と題して、参加型ワークショップで「里山で農林業をやりながら、どんな生きものと、どんな関わりをもつか」について考えます。

  1. 2016/06/29(水) 17:02:22|
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