せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

オオコオイムシ(大子負虫)


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▲卵の殻を背負ったオスのオオコオイムシ(大子負虫)

昨日の雨も上がり、自然観察園の湿地でもハッチョウトンボ(八丁蜻蛉)の羽化が始まりました。
というわけで、ハッチョウトンボを探していると、オオコオイムシ(大子負虫)を見つけました。
背負っているのは卵ですが、しぼんでいるので殻だけのようで、孵化が始まっているようです。
名前は、写真のとおり”子を負う虫”というのが由来です。
ですが、実際に背負うのは卵の時期だけで、孵化した幼虫はそれぞれ独り立ちしていきます。
ちなみに、背負うのはオス。
オスは卵が孵化するまで、卵を外敵からまもるだけでなく、卵が乾かないようにしたり、そうかといって水の中にじっとしていては卵が窒息するので外気にふれさせたりと、こまめに面倒をみます。

オオコオイムシはカメムシの仲間ですが、田んぼや湿地にはたくさんの種類の水生カメムシがいます。
タガメ(田亀)、タイコウチ(太鼓打)、ミズカマキリ(水蟷螂)、マツモムシ(松藻虫)、アメンボ(水黽)の仲間などもカメムシの仲間です。
中でも、体長6cmにもなる最大の水生昆虫・タガメは、環境省が絶滅危惧種に指定していて、全国各地で姿を消しています。
今では、世羅町を含めて、広島県内の多くの市町で見ることができません。
タガメ以外にも、タイコウチも減っているようです。

タガメやタイコウチが減少している原因は明らかにされていませんが、
カメムシの仲間には稲の害虫も多く、カメムシの被害を減らす殺虫剤の使用が害虫以外の水生昆虫にも影響しているのではないかともいわれています。

最近、国立環境研究所は、現在農家が使用している農薬のいくつかが、水田のヤゴの数を減少させているという研究結果を発表しました。「現在の農薬登録の枠組みにおいて審査を通過した農薬であっても、一部の野生生物に予期せぬ影響をもたらす可能性がある」というのです。

市販されている農薬は使用方法を守ってさえいれば、農家自身の健康や、農産物の安全性には問題がないとされています。
しかし、害虫以外の生き物などへの影響については、残念ながらわからないことが多いということのようです。

田んぼには多くの生き物が生息し、こうした生き物をエサにする生き物も多くいます。
こうした生きものに対する農薬の影響について、私も含め、農家は知る由もありません。
国立環境研究所が行ったような研究が、さらにひろがることを期待しています。
  1. 2016/05/17(火) 17:35:47|
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