せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

田んぼの生き物観察会


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▲ビオターニで田の虫を探す少年

8月23日(火)、世羅町小谷で田んぼの生き物観察会が開催され、管理人も参加させていただきました。
主催は、ダルマガエルやギフチョウの保全に取り組んでいる伊尾小谷たえクラブです。

あいにく、他の行事とかさなったためか、参加者は少なめでスタート。

とはいっても、あれよあれよと言う間に、いろんなものが集まりました。

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▲大人の方が多かった観察会でした。

ミズカマキリ(水蟷螂)、オオコオイムシ(大子負虫)、マツモムシ(松藻虫)、ガムシ(牙虫)、ヒメガムシ(姫牙虫)、クロゲンゴロウ(黒源五郎)、コシマゲンゴロウ(小縞源五郎)、ヒメゲンゴロウ(姫源五郎)、ゲンゴロウの仲間の幼虫、ヤンマのヤゴ、イモリ(井守)の幼体、ダルマガエル(達磨蛙)の成体とオタマジャクシ、ツチガエル(土蛙)の成体とオタマジャクシ、アマガエル(雨蛙)の成体とオタマジャクシ、トノサマガエル(殿様蛙)、ヒル(蛭)、イナゴ(蝗)など、いろんな生き物がたくさんとれました。

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▲稲穂が出始めた田んぼでみつけたナツアカネ(夏茜)とおぼしきカップル(ピントが合ってなくてすみません。稲穂には合ってますね)

ナツアカネとおぼしき赤トンボのカップルが、穂を出し始めた稲の上で産卵をしているような様子も観察出来ました。

アキアカネは暑い夏の間は山へ避暑に行ってしまい、今の時期は見かけることはありません。

一方、避暑に行かないナツアカネは、夏でも林縁や池の周辺などの人里で過ごします。名前も、夏にも見ることができる赤トンボということに由来するともいわれています。

そうはいっても、管理人の印象では、産卵はもう少し稲が色づいた頃なので、少々驚きました。

日中はまだまだ暑い日が続いていますが、朝晩は随分と涼しくなりました。

田んぼの稲も好天が続いたせいか熟れていくのが幾分早い気もします。

世羅町では早くも稲刈りも始まりました。

ナツアカネの産卵が早い気がするのも、そんな季節の進み具合が影響しているのでしょうか?



  1. 2016/08/25(木) 15:22:29|
  2. 世羅台地の取り組み
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キセルアザミ(煙管薊)が生えた農業用水路


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▲ヒョウモンモドキ(擬豹紋)の食草となるキセルアザミ(煙管薊)が茂る農業用水路(世羅町内)

自然観察園の草刈り人のもう一つの目標は、絶滅の恐れのある蝶・ヒョウモンモドキが生息できる環境を園内に再現することです。

具体的には、園内の水路や湿地の畦ぎわなどにヒョウモンモドキの食草であるキセルアザミが自生し、林縁や散策路のほとり、湿地の畦道の法面などにヒョウモンモドキの蜜源となるノアザミ(野薊)が咲き誇っている姿です。

そのお手本となる場所が近くにありました。

圃場整備(正確には「基盤整備」といいます)が行われ、農業用水路はU字溝でできていますが、水路の両側にはキセルアザミが茂っています。

昔を知る人から、「ヒョウモンモドキは田んぼのまわりで飛んでいた」という話を聞いたことがあります。

圃場整備が行われる前までは、多くの水路は土水路で、山間の水路にはキセルアザミがたくさん茂っていたことでしょう。

そんな時代は牛や人が農作業の主役で、草は資源として利用されていました。草刈りのために草を刈るのではなく、牛小屋の敷草や餌として、あるいは焼いた灰を肥料にするために草を刈っていました。

その結果、農家が意識することなく、秋の七草、ノアザミ、キセルアザミが生育する風景が広がり、その中で、人の営みに寄り添うようにヒョウモンモドキは命をつないでいたことでしょう。

今では牛もいなくなり、有機農業に取り組む一部の農家を除いて肥料は購入する農家が大半で、草刈りはただ草を刈るためだけで何も生み出さないただの作業になってしまいました。

どうせやらなくてはならないことなのですから、美しい景観をつくり、絶えそうな生き物の命を蘇らせる草刈り仕事をなんとか復活させなければなりません。

現在、ヒョウモンモドキの生息地の管理で最も重要な作業の一つは、ノアザミやキセルアザミが自生する場所の草刈りです。

草刈りをしないでおくと、ノアザミやキセルアザミは他の草に負けてしまうからです。

ですが、自然観察園全体の管理を行いながら、「ノアザミとキセルアザミのためだけの草刈りに時間を割くのは難しい」、というのが新米管理人の実感です。

というわけで、余計な手間をかけずにニ種類のアザミを増やすためには、普段から草刈りが必要な場所で、なおかつ生育に適したところを選択しようと思っています。

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▲NHKBSの番組「ニッポンの里山」で紹介されたノアザミを残すこだわりの草刈り(田打)

ノアザミであれば遊歩道の脇や溜池の堤の法面、キセルアザミであれば、湿地に沿うように配置されている水路の脇、水がしみ出ている林縁や畦の法面です。

冒頭紹介したキセルアザミがたくさん茂っている田んぼの脇の水路は、まさに自然観察園が目指すべき場所でした。

こんな場所が世羅台地にある田んぼの周辺のいたるところで復活すれば、ヒョウモンモドキの危機的な状況も少しは良くなっていくのではないかと感じています。
  1. 2016/08/20(土) 17:08:24|
  2. 植物
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草刈り人の目標


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▲自然観察園が目標にしている溜池の堤

今日は草刈りをお休みして黒川の溜池に行ってみました。

この場所は過去のブログでも紹介されていて、管理人も10年ほど前から知っている大好きな場所です。

田んぼの稲は穂を垂れ色づき始めていました。

目指す溜池には、昔と変わらず、たくさんの花が咲いていました。

この池は江戸時代には既に造られていた古いものですが、今では水は貯まらず、溜池としては利用されていません。

しかし、今では希少となったキキョウやオミナエシが、ワレモコウ(吾亦紅)やハギ(萩)、ススキ(芒)などとともに池の堤を覆っていました。

かつては池の底で、今では湿地となってる場所には、サギソウ(鷺草)やホザキノミミカキグサ(穂咲きの耳掻草)、サワギキョウ(沢桔梗)を見ることが出来ます。

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▲ワレモコウの向こうにはサギソウが咲く湿地が広がっている。

使われなくなった溜池とはいえ、草刈りが行われているからこそ、秋の草花も絶えずに残っています。

この池より更に上部ある溜池は昭和になって造られた物のようですが、堤にはキキョウ、オミナエシ、ワレモコウ、ハギなどがたくさん咲いていました。

こちらの池の堤も年に数回草刈りが行われているようです。

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▲現役の溜池の堤にもキキョウ、オミナエシ、ハギ、ワレモコウが普通に咲いている。

また、別の池には、これまた希少なヤマトミクリ(大和実栗)が自生しています。

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▲溜池に自生するヤマトミクリ。

一方、田んぼの畦はというと、こちらは丁寧に草が刈られていて、大部分がチガヤ(茅萱)で覆われています。

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▲田んぼの畦はチガヤの草原

池の堤と比較すればよくわかりますが、秋の七草などを増やそうと思うと、草刈りの頻度はかなり少なくする必要があります。

まだまだ草刈りが続く自然観察園ですが、闇雲に刈るのではなく、今日訪れた黒川の溜池の堤のような状態を早く実現したいと思っています。





  1. 2016/08/19(金) 17:01:53|
  2. 公園管理
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オミナエシ(女郎花)


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▲自然観察園のオミナエシ(女郎花)

多くはないのですが自然観察園にはオミナエシが咲きます。

言わずと知れた秋の七草のひとつですが、キキョウ(桔梗)同様、自然のものはなかなかお目にかかりません。

あるところにはあるのですが、それは草刈りをする人が意識的に残したものであることが多いようです。

ということは、草刈り人が花だけではなくて葉や茎の形も知っているということ。

世羅を車で走っていると、そんな草刈り人の仕事に出会うとがあって、嬉しい気持ちになります。

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▲公園近くの道端で見つけたキキョウ

つい昨日も、公園近くで初めて通る道のほとりに、キキョウとオミナエシが咲いている場所を見かけました。

草花を愛でる草刈り人の仕事です。

というわけで、管理人は今日も朝から草刈りに精を出しました。

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▲ウッドデッキまで刈り終えました。(昨日の写真と比べて見るとよくわかります)

トンボ池の法面にも手をつけ、結果、池のほとりの東屋からの眺めも良くなりました。

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▲眺めの良くなった東屋

ちなみに、オミナエシの名の由来を調べて見ると、語源は「女飯(オミナメシ)」。
小さな花を飯粒になぞらえ、綺麗な黄色い花を女性に見立ててつけられたといわれています。
一般的な漢字表記である女郎花の女郎は女性の意味だそうです。

標準和名:オミナエシ(女郎花)
分類:マツムシソウ目 オミナエシ科 オミナエシ属

  1. 2016/08/18(木) 17:15:07|
  2. 植物
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草刈りとカヤネズミの巣


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▲草刈りの最中、ススキ(芒)の株で見つけたカヤネズミ(萱鼠)の巣

今朝も午前中は草刈りに精を出しました。

草を刈るといろんなものが見えてきます。

そのひとつがカマキリ(蟷螂)です。

うじゃうじゃカマキリが湧いて出てきます。

ときおり、ニホンアカガエルも飛び出します。

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▲草刈りを終えたトンボ池の堤の斜面。画面左奥に見えるススキの株にカヤネズミの巣を発見。

結果、昨日からとりかかったトンボ池の堤の法面のセイタカアワダチソウ(背高泡立草)を午前中にほぼ刈り終えることができました。

と、ススキ(芒)の株にカヤネズミ(萱鼠)の巣を発見。

どうやら、春の子育てに使われた巣のようです。

カヤネズミは秋にも子育てをしますから、園内には場所を決めてススキを残しています。

子育てが終わった頃に、ススキの株を調べようと思います。

この後の草刈りはというと、トンボ池の周りの斜面をやる予定です。

傾斜がきつい斜面もある上に、セイタカアワダチソウの他、クズ(葛)もはびこっていますから、けっこう難儀しそうです。

今度は何が見つかるんでしょうか?

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▲クズやセイタカアワダチソウのはびこるトンボ池
  1. 2016/08/17(水) 17:06:43|
  2. 哺乳類
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カワセミ(翡翠、川蝉)


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▲トンボ池に設置されたウッドデッキの手すりで魚を狙う雄のカワセミ(翡翠、川蝉)

今日は久しぶりの曇りの天気。

昨日の夕立のおかげもあって、久しぶりに涼しいと感じる朝でした。

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▲自走式草刈機でセイタカアワダチソウ(背高泡立草)を刈る。

というわけで、午前中は自然観察園の一番下にあるトンボ池周辺の草刈りに精を出しました。

ここは春以降、一度も手をつけていなかった場所で、オオキンケイギク(大金鶏菊)やセイタカアワダチソウ(背高泡立草)がはびこっています。

オオキンケイギクは花が散って既に種が落ちているので草刈りのタイミングをはずしてしまいましたが、セイタカアワダチソウはこれから花をつけるので、その前には全て刈り払っておこうと思っています。

そんな草刈りの合間、休憩しているとトンボ池にカワセミ(川蝉)を見つけました。

エサを探しているようです。

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▲魚をくわえたカワセミ

何回かのダイビングの後、ようやく獲物を捕えました。

そおっと近づいて写真を撮ってみると、どうやらオスのようです。

見分け方は簡単で、嘴が赤いのがメス、黒っぽいのがオスです。

何枚か写真を撮らせてくれたあと、池の下の谷に消えて行きました。

ちなみに、カワセミは林縁などにできた土の壁に穴を掘って巣をつくります。
今の時期、子育ては終わっていますが、園内に巣があるか探してみようと思います。

標準和名:カワセミ(川蝉、翡翠)
分類:ブッポウソウ目 カワセミ科

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▲おまけはシュレーゲルアオガエル。カワセミを狙っていると目の前のススキにおりました。

  1. 2016/08/16(火) 13:58:05|
  2. 鳥類
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害虫を寄せ付けない光の技術


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▲ライトセーバーを手にしたジェダイの戦士?、いえいえ、手にしているのは”害虫を寄せ付けないLED防蛾灯”です。

 
”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座”の最終講義と修了式を広島県立総合技術研究所農業技術センターで行いました。
県農業技術センターは世羅町から車で1時間もかかる場所ですが、多くの受講生に足を運んでいただきました。

最終講義の内容は「害虫を寄せつけない光の技術」です。

農業技術センターでは、農薬第の削減と農家の健康被害の懸念を払拭するために、農薬に替わるヤガ(夜蛾)の対策として、ヤガの飛来と活動を抑制するLED防蛾灯を開発しました。

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▲LED防蛾灯を設置した菊畑と花を食害するタバコがの成虫(右上)と幼虫(右下)
(県農業技術センターより写真を引用)

これまでも世羅の梨園などではヤガによる被害から梨を守るために黄色く光る防蛾灯が設置されていて、梨園の黄色い灯りは世羅の夏の風物詩ともなっていますが、花芽の形成が日長(正確には暗い時間)の影響を受ける光周性の作物では利用できませんでした。

菊は日長が短くなると花芽を形成し始める短日植物ですから、梨園と同じ防蛾灯を使うと開花時期が遅れます。

そこで、県農業技術センターではLEDの優れた点灯応答性と省エネに着目し、シャープとの共同開発でLEDを点滅させることでヤガの活動を抑制しつつ菊の花芽形成に影響の出ない防蛾灯を開発しました。

点滅間隔は発光0.1秒、消灯0.4秒で、1秒に2回点滅を繰り返します。そうすることで、菊の生育に影響を与えずにヤガの活動を抑制し、ヤガの被害を受ける菊は4分の1以下にまで減らすことに成功しました。

ちなみにLED防蛾灯は光周性の作物であるイチゴやホウレンソウ、スイートコーンでも利用できるそうです。

講義の後は、これまでの講座で学んだ環境保全型農業技術の試験圃場を見学しました。

最初に見学したのは、天敵温存植物を活用したトマトのハウスです。

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▲天敵温存植物を植えたトマトのハウス。一番手前がクレオメ。トマトの株元にはバーベナが植えてある。

うねの両端にはトマトの害虫であるオンシツコナジラミを食べてくれるタバコカスミカメの温存植物であるクレオメとバーベナが植えてあります。これで、オンシツコナジラミの被害はほぼ防げるとのことです。

ちなみに、県農業技術センターでは、来年、夏秋トマトの産地である北広島町の圃場で黄色LEDと天敵温存植物を組み合わせて薬を減らす試験が行われるそうです。

次に見学したのは、生き物を増やす田んぼの技術です。


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▲田んぼの水口に設置したヒヨセ(右下)

田んぼの水口付近に中にヒヨセと呼ばれる常時水を張った水路を設けると、稲の生育期間中に田んぼを干す中干し後でも、オオコイムシやマツモムシ、オタマジャクシが温存できるというものです。

農業が変わらなければ失われつつある田舎の自然を守ることはできません。
 
この見学で、”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座”は修了となりましたが、せら夢公園では、今後も自然と共生し生き物も育てる農業技術に関する講座を開催していく予定です。

次回の企画もご期待下さい。



  1. 2016/08/10(水) 17:14:52|
  2. セミナー
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ヤチシャジン(谷地沙参)が見頃です


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▲自然観察園のヤチシャジン(谷地沙参)

ヤチシャジン(谷地沙参)が見ごろを迎えています。

ヤチシャジンはキキョウ科ツリガネニンジン属の植物。

日本と朝鮮半島から中国東北部に分布し、明るい湿地に稀に生える多年草で、キキョウ(桔梗)ツリガネニンジン(釣鐘人参)と同じ紫色の花を咲かせます。

環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅰ類に指定されていて、広島県と岡山県などのわずかな場所にしか自生していない希少な植物です。

その数少ない自生地の一つが世羅町です。

自然観察園のヤチシャジンは、世羅町の自生地で採集した種を広島市植物園で育苗し、そこで育てた苗を植え付けたものです。

自生地は保全のために公開されていませんので、県内でヤチシャジンを観察できる場所は、せら夢公園自然観察園と広島市植物園だけです。

そんなヤチシャジンに会いに来ませんか?

標準和名:ヤチシャジン(谷地沙参)
分類:キキョウ科 ツリガネニンジン属










  1. 2016/08/07(日) 15:26:47|
  2. 植物
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カスミサンショウウオ(霞山椒魚)の変態


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▲変態して間もないカスミサンショウウオ(霞山椒魚)。体長約5cm

7月26日、自然観察園で小学校の教員を対象とした理科の研修会が開催され、講師として両生類の専門家・内藤順一先生が来園されました。

研修の題材となったのはカエルですが、この時期は自然観察園で繁殖しているカスミサンショウウオが変態する時期ということで、内藤先生はオタマジャクシ・幼生(ようせい)を採取して見せて下さいました。

「あと4・5日すれば変態するでしょう。せっかくだから、公園に来られた方にも見ていただいたらどうでしょう」とすすめられ、オタマジャクシを入れた水槽を管理事務所の展示コーナーに置くことにしました。

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▲展示した水槽の中のカスミサンショウウオのオタマジャクシ(幼生)。頭の後ろに赤く見える部分がエラ。

水槽には水だけでなく土も入れて、変態後に上陸できる陸地をつくってやりました。

カスミサンショウウオはオタマジャクシのときには首のあたりにエラがあって水の中で成長しますが、変態して亜成体になるとエラはなくなり陸上で生活するようになるからです。

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▲カスミサンショウウオのエサとなるユスリカの幼虫”赤虫”。田んぼで大量に発生しています。

エサは自然観察園の田んぼで捕ったユスリカの幼虫”赤虫”です。

一週間ほどすると、水の中にいたオタマジャクシが見当たらなくなりました。

水槽の中を探してみると、エラのない亜成体が見つかりました。

亜成体はエラがないだけでなく、サンショウウオらしい体つきになっています。

というわけで、本日、もともと暮らしていた自然観察園にある天然の湿地にもどしてやることにしました。

この先、湿地周辺の山林で過ごし、無事に成長すれば2年から3年後の早春、繁殖のために湿地に戻ってきます。

自然観察園で見かけるカスミサンショウウオの繁殖場所は園内の湿地ですが、彼らは山間の田んぼも繁殖場所として利用しています。

田んぼの中に設けられた”ヒヨセ”などとも呼ばれる水路は、カスミサンショウウオにとっは大切な繁殖場所となっています。

しかし、近年、圃場整備などによってヒヨセのような場所が激減しており、開発による湿地の減少とも相まって、広島県のカスミサンショウウオは絶滅危惧Ⅱ類に指定されほど減少しています。

こうした状況下、自然観察園では園内の生息環境の整備だけでなく、”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座などを通じて、生き物も育てる農業の拡げていきたいと考えています。

8月10日(水)には、”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座の最終講座を広島県農業技術センターで開催します。

講座の内容は「害虫を寄せ付けない光の技術」ですが、これまでの講座でご紹介した農業技術センターの圃場で取り組まれている環境保全型農業の技術についても見学する予定です。

今回の講座は、”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座の受講者だけでなく、どなたでも参加できる公開講座としても開催されますので、関心のある方は受講されてはいかがでしょう。

講座の日時・場所・お問合せ先は以下のとおりです。

■日時 8月10日(水)9:30~12:00
■場所及びお問合せ先
広島総合技術研究所農業技術センター
〒739-0151 東広島市八本松町原6869
Tel:082-429-0522(技術支援部)

ちなみに、カスミサンショウウオの名前は、体表に霞模様が入ることに由来するそうです。そういわれればそんな感じですね。

  1. 2016/08/05(金) 18:49:58|
  2. 両生類
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チョウの調査


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▲ヒョウモンモドキの生息環境について説明する中村さん(日本チョウ類保全協会)

昨日、今日は草刈りをお休みしてチョウを調べてまわりました。

昨日は、ヒョウモンモドキ保護の会が主催する「ヒョウモンモドキの夏の幼虫調査と生息地の観察会」でした。
参加者は、ヒョウモンモドキ保全地域協議会の構成員であるヒョウモンモドキ保護の会の会員や、それぞれの地域でヒョウモンモドキの保全に取り組む方々、また、環境省中国四国事務所、広島県、世羅町、三原市の職員などです。

案内役は日本チョウ類保全協会の中村さんで、3ヶ所の生息地の幼虫の様子や、キセルアザミの生育状況を観察しました。

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▲見ただけではわからないチョウは網で捕えて同定します。

今日は、尾道市御調町にあるモニタリングサイト1000(モニ1000)の調査地で、定例チョウの調査を行いました。

朝の9時30分から12時30分まで、新たなメンバーを加え、5人で設定した調査ルートを歩きました。

一番目に付いたチョウはヤマトシジミでした。

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▲今シーズン初登場のゴイシシジミ(碁石小灰蝶)

今シーズンの初登場は、ムラサキシジミ(紫小灰蝶)とゴイシシジミ(碁石小灰蝶)でした。

次回の調査は9月の予定です。

モニ1000の調査に参加したい方がいらっしゃれば、どなたでも大歓迎です。
ご連絡下さい。

  1. 2016/08/04(木) 17:30:51|
  2. 世羅台地の取り組み
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サギソウ(鷺草)、ホザキノミミカキグサ(穂咲の耳掻草)、ヘラオモダカ(箆面高)、オミナエシ(女郎花)


見頃を迎えた貧栄養湿地と畦の草花をご紹介。
朝から草刈りでバテバテなので写真のみでご容赦ください。
明日、明後日は蝶の調査なので、草刈りはお休みです。

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▲サギソウ(鷺草)増えてます。

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▲ホザキノミミカキグサ(穂咲の耳掻草)

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▲ヘラオモダカ(箆面高)

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▲オミナエシ(女郎花)

  1. 2016/08/02(火) 16:02:11|
  2. 植物
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サワギキョウ(沢桔梗)


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▲貧栄養湿地で咲き始めたサワギキョウ(沢桔梗)。とまっているのはショウジョウトンボノ[メスのよう。

今朝は1時間ほど早出をして朝から草刈りをしました。

昨日の夕立のおかげで、ひんやりとして気持ちのいい空気の中、サギソウ(鷺草)が咲き誇る貧栄養の散策路と法面を刈っていきます。

と、一番下の貧栄養湿地で早くもサワギキョウ(沢桔梗)が咲き始めていました。

今年一番最初に開花したサギソウもこの湿地にある株でした。

他の湿地より早く咲く理由があるのでしょうが、見当がつきません。

貧栄養湿地ではサギソウの花がどんどん増えています。

山の日からお盆前後にかけて、サギソウとサワギキョウが咲き誇る自然観察園をご覧いただけると思います。

ちなみに、8月11日(木)の山の日には「ほしぞら映画祭」を開催します。
鑑賞料は無料です。
是非、ご家族連れでお越しください。
(椅子はありません。地面に座るか、椅子を持参してお楽しみください)

標準和名 サワギキョウ(沢桔梗)
分類 キキョウ科 ミゾカクシ属
  1. 2016/08/01(月) 15:39:04|
  2. 植物
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