せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

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トキソウ(朱鷺草)


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▲自然観察園に咲き始めたトキソウ(朱鷺草)

数日前から自然観察園の湿地で、淡いピンク色をしたトキソウの花が咲き始めました。
開花数はまだ少ないようですが、去年の5月30日の記録を見ると264輪ですから、これからどんどん増えてくるはずです。

トキソウは花の色がトキ(朱鷺)の羽の色「朱鷺色」に似ているいることが名の由来です。
サギソウ(鷺草)と並んで、湿地を代表する欄の仲間ですが、湿地の減少により、環境省では準絶滅危惧種、広島県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

一方、鳥のトキ(朱鷺)はというと、ご存知のように、日本産のトキは、乱獲や開発により2003年に絶滅してしまいました。
しかし、中国よりトキを譲り受け、新潟県佐渡市で増殖と野生復帰の国家的プロジェクトが進められています。
この取り組みには農家も協力しています。
何故なら、トキは、田んぼを主なえさ場として利用していいて、ドジョウやカエル、昆虫などをエサにしているからです。
新潟県佐渡市では、エサになる生き物が田んぼで増えるよう、農家は、農薬や化学肥料の削減、田んぼで「江」と呼ばれる内水路の設置、稲刈り後から春まで水を張り続ける冬水田んぼ、魚が田んぼに遡上するための水田魚道の設置などに取り組んでいます。
こうして栽培されたお米は、「朱鷺と暮らす郷」としてブランド化し、農家の所得向上につなげています。

6月9日(木)に開講する「”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座」でも、佐渡で取り組まれているような生き物を増やす技術について取り上げる予定です。


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  1. 2016/05/29(日) 17:19:26|
  2. 植物
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”見た目”や”緑肥”だけではない”レンゲの底力”


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▲害虫の被害から稲を守ってくれるレンゲ

レンゲは、心和む景色や美味しい蜂蜜を私たち提供してくれるだけでなく、稲の有機肥料としても力を発揮してくれることは昨日紹介しました。

でも、レンゲの力はそれだけではありません。
レンゲは稲を害虫の被害から守ってくれる有用な植物であることが静岡県農林技術研究所などの研究で明らかになっています。

お米が熟れていく過程で、草食系のカメムシがお米のもととなる籾の中身を吸うと、その痕(あと)が変色して残ります。
収量には大きな影響はないものの、見た目が悪くなったり、被害を受けた米粒の割合が高くなると異臭がしたりします。
これでは農家は困るので、ほとんどの田んぼで農薬を使ったカメムシの防除が行われています。

レンゲを植えた田んぼでは、害虫のカメムシのひとつであるアカスジカスミガメ(赤筋霞亀)などを食べるコモリクモ(子守蜘蛛)の仲間が、稲刈りの後何も生えていない田んぼよりもたくさんいるというのです。
何故なら、レンゲの田んぼには、コモリグモ類がエサにしているアブラムシやあアリ、コウチュウ類など様々な昆虫がたくさん生息しているからです。
田んぼに水が張られるとクモは畦に移動しますが、害虫などの昆虫を食べるために、稲の成長とともに再び田んぼの中に移動します。
稲の生育期間中でも、レンゲを植えた田んぼはそうでない田んぼよりもクモは数倍多く、多くの害虫を食べます。
このように、稲の裏作でレンゲを植えることは害虫対策としても環境保全型農業の有望な技術になると考えられています。

こうした、田んぼの生き物を活かした農業技術については、6月9日に開講する”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座でも紹介します。
  1. 2016/05/27(金) 12:38:09|
  2. 農業
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田んぼ食堂のご常連(トビ、カラス、スズメ、セグロセキレイ、カルガモ)

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▲レンゲを植えた管理人の田んぼ。”田んぼ食堂”準備中の様子です。

管理人は五反(5,000㎡)ほどの田んぼで農薬も化学肥料も使わないお米を栽培しています。
今週末には田植えの予定で、出勤前、帰宅後、休日と、連日トラクターで田んぼに入っています。
田植えには助っ人も呼んでいますから、なんとしても土曜日までに間に合わせなくてはなりません。
そんな忙しい毎日が続いているのですが、単調な作業を和ませてくれるのが生きものたちです。
レンゲの田んぼをトラクターで耕していると、様々な鳥たちがやって来ます。
トラクターの上から見ていると、レンゲの茂みの中に隠れていたクモ、テントウ虫、バッタの仲間、カエルたちが驚いて次々に飛び出してきます。ヘビやカヤネズミも飛び出します。
鳥は、こうした生き物を目当てにやって来るのです。
というわけで、今年も”田んぼ食堂”の開店とあいなりました。

この”田んぼ食堂”で、毎年いい仕事をしてくれているのがレンゲです。
ご存じのとおり、マメ科の植物であるレンゲ(蓮華)は、根に根粒菌と言う微生物が住みついていて、この菌が取り込む空気中の窒素はレンゲの肥料となります。このため、レンゲを田んぼにすき込めば、田んぼに投入する窒素肥料を少なくすることができます。
こうした、肥料にするために栽培する植物のことを緑肥(りょくひ)といい、管理人も緑肥として毎年稲刈り後にレンゲの種を播いています。

レンゲの効能はそれだけではありません。
二酸化炭素を吸収する上に、たくさんの生き物に棲みかを提供してくれます。
レンゲが多くの生き物のエサになり、さらにレンゲを食べる生き物は、それを食べる生き物を養います。
そして、この時期、田んぼの食物連鎖の頂点に君臨(ちょっとオーバー?)するのが、田んぼにやってくる”鳥”というわけです。

というわけで、休日だった昨日と今朝、田んぼ食堂にご来店頂いたご常連を紹介しておきましょう。

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▲トビ(鳶)様。田んぼに降りている姿を見るのは珍しい。ヘビの死骸でもあったんでしょうか?

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▲一番のご常連。カラス(烏)様。いつも仲好くお二人でご来店。一番のお気に入りはカヤネズミ。

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▲スズメ(雀)様。お米もお好きですが、今の季節は草の実、虫やクモもお召し上がりです。

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▲セグロセキレイ(背黒鶺鴒)様。まだお若いようです。

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▲集団でお越しのカルガモ(軽鴨)

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▲鳥たちのお目当てのひとつがクモ(蜘蛛)。水の上を走るところを狙われる。
ツバメは水面すれすれに飛んでさらっていっきますが、動きが早くて撮らせて頂けませんでした。

  1. 2016/05/26(木) 14:29:19|
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ヤマボウシ(山法師)

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▲自然観察園の林縁に自生するヤマボウシ(山法師)

ヤマボウシの白が目立つ季節がやって来ました。
自然観察園内でも自生していますし、管理人が毎日通勤に利用している尾道松江道「やまなみ街道」から見える山でも目立つようになりました。

ご存知のように、一見白く見える花びらのようなものは、花ではなく総包片(そうほうへん)と呼ばれるものです。

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▲ヤマボウシの総包片と蕾のかたまり

ヤマボウシの花は、4枚の総包片の中心に雄しべのように見える部分に小さな花の集合体としてあります。
というわけで、今が満開かと思いきや、よく見てみると花はまだ蕾(つぼみ)です。
開花は、もう少し先の6月から7月になります。

名前の由来は、小さな蕾のかたまりを坊主頭に、白の総包片を頭巾に見立ててつけられました。

秋には赤くて甘い実をつけますから、見て楽しく、食べて美味しいヤマボウシです。

庭木としても親しまれていますが、山林でも多く自生しています。
以前、比婆山を登ったとき、登山道沿いの林縁にたくさんのヤマボウシの赤い実がなっていたことを覚えています。

  1. 2016/05/24(火) 15:31:04|
  2. 植物
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アマサギ(飴鷺、猩猩鷺)


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▲飴色の夏毛をまとったアマサギ(飴鷺、猩猩鷺)。

今朝、家の近く(尾道市御調町)の田んぼに出かけると10羽ほどのアマサギの群れに遭遇しました。
田植えの終わったばかりの田んぼで朝食をとっているようでした。
おそらく、カエルやオタマジャクシなどを食べているのでしょう。
 
このアマサギ、東南アジアで越冬して、初夏、繁殖のために日本に渡って来ます。
見てのとおり、背や頭から胸にかけて飴色なのでアマサギ(飴鷺)と呼ばれるようになりました。
飴色の羽色に加え、繁殖期になるとオスは目先、嘴、脚などが赤みを帯びる事から、「猩猩鷺」という漢字をあてることもあります。

ちなみに英語では「Cattle Egret」と呼ばれていま。
直訳すると「牛鷺」です。
アマサギは牛などの大型の哺乳類が歩く際に驚いて飛び出る昆虫を目当に後をついて歩くことから、この名がつけられました。
今では、牛が田んぼを耕すことは行われなくなりましたが、トラクターのあとをついて歩くアマサギの姿を見ることができます。

アマサギは世界各地に分布していて、アフリカゾウにまとわりつくサギの写真を目にされた方もあると思います。
このサギもアマサギで、象は皮膚についた寄生虫を食べてもらっています。

この他、田んぼでは、食事中のダイサギ(大鷺)、チュウサギ(中鷺)、コサギ(小鷺)、アオサギ(青鷺)などを観察することができます。
自然観察園には、アオサギが訪ねてきてくれます。

偶然ですが、昨日のショウジョウトンボに続いて、二日連続の”猩猩ネタ”でした。


  1. 2016/05/23(月) 12:01:06|
  2. 鳥類
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せら夢公園で「ひろしま”山の日”県民の集い」が開催されます。


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▲せら夢公園で「ひろしま”山の日”県民の集い」の体験イベント

6月5日(日)、せら夢公園で「ひろしま”山の日”県民の集い」が開催されます。
楽しい体験イベントが盛りだくさんです。

同日、自然観察園の観察会を10時スタートで行います。
皆さんのお越しをお待ちしています。

  1. 2016/05/22(日) 16:52:13|
  2. イベント
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ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)


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▲自然観察園の湿地に現れたショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)

今日は朝から自然観察園の草刈りです。
湿地ではハッチョウトンボ(八丁蜻蛉)の羽化が始まっていて、草を刈っていると目の前の草にたくさんのハッチョウトンボが群がってきます。
と、真っ赤なトンボを発見。
ショウジョウトンボ(猩猩蜻蛉)のオスです。
赤い色をしていますが、いわゆる赤とんぼの仲間ではありません。
オスは縄張りを持ち、縄張りの周囲を哨戒飛行します。

名前は、伝説上の生き物、猩猩(しょうじょう)から来ています。
猩猩は顔と足は人に似て髪は赤く長く垂れ、酒を飲んでも顔色ひとつ変えないとされています。

このことから、赤い色をした生き物には、ショウジョウトンボ以外にも”猩猩”を冠したものが多くいます。
自然観察園で4月に花を咲かせるショウジョウバカマのショウジョウも猩猩のことです。
花は真っ赤ではありませんが、ピンクの花を猩猩に、地際についた葉を袴(はかま)にみたて、この名がつけられています。

甘い果物にたかるショウジョウバエ(猩猩蠅)のショウジョウも猩猩です。
こちらは、ショウジョウバエの仲間の中には赤い眼を持つものがいることに加え、酒などにたかることから、酒飲み妖怪でもある”猩猩”の名がつけられました。

ショウジョウトンボは平地の田んぼや都市の公園の池でも普通に見られ、5月から6月にかけて現れる赤いトンボは、赤トンボではなく、このショウジョウトンボです。

自然観察園のトンボは、これから種類も数もどんどん増えてきます。
6月5日(日)は”ひろしま「山の日」県民の集い”がせら夢公園で開催され、
この日、午前10時から自然観察園では観察会を行います。
たくさんのトンボが皆さまのお越しをお待ちしています。

  1. 2016/05/22(日) 16:47:31|
  2. トンボ
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ノアザミ(野薊)のレストラン


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▲ノアザミ(野薊)は虫たちのレストラン

自然観察園のノアザミ(野薊)が咲き始めました。
ノアザミは山沿いの道端や畦などに生えるごく普通の植物です。
農家からは雑草扱いされていますが、このノアザミ、なかなかいい仕事をしてくれます。
というのも、初夏から秋にかけての長い期間、多くの虫たちに彼らの食料となる蜜を供給してくれます。

今では日本国内で世羅町と三原市など、世羅台地、賀茂台地にだけしか生息していないヒョウモンモドキ(豹紋擬)も、このノアザミの蜜が大好きです。
6月上旬に蛹(さなぎ)から羽化した蝶は、ノアザミやヒメジョオンなどの蜜を吸い、卵を産んで一生を終えます。

チョウの他にも、ハチやアブの仲間など、多くの昆虫が秋ごろまでこのノアザミを頼りに命をつないでいます。

自然観察園を管理運営する㈱セラアグリパークが6月9日に開講する”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座では、第3講座として「生き物を守る田んぼの技術」を紹介します。
現地見学を、世羅町田打地区にあるビオトーチで行いますが、ここでは、昆虫たちのために、畦のノアザミを刈り残す草刈りが行われています。
ノアザミに集まる虫たちは、必ずしも害虫の天敵と言うわけではありません。
ビオトーチを多くの人が自然と触れ合う場所となるよう、ノアザミを残す草刈りが行われているのです。

本講座では、農業は農産物だけでなく、豊かな自然や、心和む景観など、様々な恵みを生産していることや、その方法を学んでいただこうと考えています。
是非、ご参加ください。

  1. 2016/05/21(土) 17:25:14|
  2. 植物
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フクロウ(梟)の棲むリンゴ園

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▲ネズミの天敵・フクロウ(梟)を増やす農業を紹介する今朝の農業新聞

今朝の農業新聞に、青森県のリンゴ園でフクロウを増やす取り組みを紹介する記事が掲載されていました。
かつて、リンゴ園ではたくさんのフクロウがリンゴの木の洞に巣を作り雛を育てていたそうです。
しかし、リンゴの栽培栽培方法が変わり、リンゴの木は小さくし立てられ、洞が出来るようなリンゴの大木は少なくなりました。
このため、リンゴ園で子育てをするフクロウは減り、フクロウがエサにしていたハタネズミ(畑鼠)が増え、樹皮の食害が目立つようになりました。

そこで、青森県弘前市の農家のグループは、再びリンゴ園のハタネズミをフクロウに退治してもらおうと、リンゴの木に巣箱をかける取り組みをしています。
2014年からかけた巣箱は66箱、そのうち13個の巣箱から35羽のフクロウの雛が巣立ちました。
成長期のフクロウは一日3匹のハタネズミを食べるといわれており、
フクロウの巣箱を掛けたリンゴ園ではハタネズミの姿を見かけなくなったということです。

ご存知のように、フクロウは、日本では「福来鳥」、「不苦労」、「福籠」、「不苦老」と、縁起の良い当て字があてられ、洋の東西を問わず幸運を呼ぶ鳥として親しまれています。
リンゴ農家にとっても、フクロウはまさに「福来鳥」というわけですね。

近年、農業の分野では、生き物の力を借りて害虫や害獣から農作物を守る技術の開発が進められています。
広島県にいおいても、県立総合研究所農業技術センターが取り組んでいて、
先日ご紹介した当園主催の”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座”で研究成果を紹介する予定です。

生き物を育み、生き物の力を活かす農業にあなたもチャレンジしてみませんか?

  1. 2016/05/20(金) 15:02:50|
  2. 鳥類
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ツバメ(燕)

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▲卵を抱くのを一休みして外の様子をうかがうツバメ(燕)

コシアカツバメ(腰赤燕)がせっせと巣作りに励んでいるのをしり目に、
ツバメ(燕)はとっくに卵を抱いています。
見てのとおり、公園管理棟に設置してある雨除け天幕の骨組みに元々あったものを使っています。
しかも、先日紹介したコシアカツバメの巣と比べると、使っている土の量は半分以下です。
この調子でいけば、秋までには2回目の子育てをするかもしれません。

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▲完成間近(もしくは完成)のコシアカツバメ(腰赤燕)の巣

一方、コシアカツバメはというと、巣がそれらしくなってきました。
建築中であれば、運んで間もない土が黒く湿っているのですが、土は全部乾いていますから完成したのかもしれません。
巣の近くの照明に仲良く二羽とまっているのを見かけるので、卵はまだ温めていないようです。
ツバメにだいぶ遅れをとったコシアカツバメ。
これから始まる子育てが楽しみです。
そうそう、糞対策も急がなくてはいけません。

  1. 2016/05/19(木) 16:50:58|
  2. 鳥類
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”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座のご案内


せら夢公園自然観察園では、環境に配慮した農業技術関する講座を開講します。
皆さんの参加をお待ちしています。

“ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座開催要領
1 目的
 世羅台地の豊かな自然を基盤として世羅町では様々な農業が営まれていますが、農業や生活様式の変化により多くの生き物が住み家を追われています。

 ㈱セラアグリパークが管理運営する「せら夢公園自然観察園」は、失われつつある世羅台地で見られる多様な動植物を保全することに加え、世羅台地の自然再生の担い手を育成する役割も期待されているところです。

 本講座は、私たちの暮らしに欠かせない自然と農業との調和をはかるための先端的な環境保全型農業技術を学び、農村の豊かな自然を未来へとつなぐことを目的として開催します。

2 主催   ㈱セラアグリパーク

3 期日  平成28年6月9日(木)~8月10日(木)(全4回)
  
4 場所
 1)せら県民公園(㈱セラアグリパーク) 
    〒722-1732 広島県世羅郡 世羅町黒渕518-1
 2)広島県立総合技術研究所農業技術センター(8月10日水曜日講座5)
    〒739-0151 広島県東広島市八本松町原6869
 3)世羅町内の農場

5 内容

 1)日程
  6月9日(木)9:00~12:00 開校式
    講座1【講義】公的支援(直払い)を活用して環境保全型農業・生態系保全にどう取り組むか(講師 広島県、世羅町)
    講座2【講義】生物多様性保全と農業・農業者の役割(日本自然保護協会)
        【見学】自然観察園見学(㈱セラアグリパーク)
  6月23日(木)9:30~12:00
    講座3【講義】生き物を守る田んぼの技術(県農業技術センター、愛媛大学)
        【見学】世羅町内での取り組み(世羅町田打地区 (農)さわやか田打)
  7月21日(木)9:30~11:30
    講座4【講義】天敵を増やす畑の技術(県農業技術センター)
        【見学】展示圃見学(世羅町内)
  8月10日(水)9:30~11:10 閉講式(県農業技術センターの公開講座に参加)
    講座5【講義】害虫を寄せ付けない光の技術(県農業技術センター)
        【見学】県農業技術センター見学
 
 2)講師
   愛媛大学農学部、広島県立総合技術研究所農業技術センター、広島県、世羅町、
   日本自然保護協会、㈱セラアグリパーク
 
6 参加対象 農業者、学生、その他どなたでも参加できます(定員30名)

7 参加費 一般5,000円、学生3,000円

8 申込、問合せ先
 ・㈱セラアグリパークせら夢公園管理センター 担当:延安(のぶやす)
  〒722-1732 広島県世羅郡 世羅町黒渕411-13
  電話:0847-25-4400 FAX:0847-25-4306
 ・事前申込締切    平成28年6月2日(木)

◎申込用紙、詳しい日程はこちらをご参照ください↓
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  1. 2016/05/17(火) 18:58:31|
  2. セミナー
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オオコオイムシ(大子負虫)


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▲卵の殻を背負ったオスのオオコオイムシ(大子負虫)

昨日の雨も上がり、自然観察園の湿地でもハッチョウトンボ(八丁蜻蛉)の羽化が始まりました。
というわけで、ハッチョウトンボを探していると、オオコオイムシ(大子負虫)を見つけました。
背負っているのは卵ですが、しぼんでいるので殻だけのようで、孵化が始まっているようです。
名前は、写真のとおり”子を負う虫”というのが由来です。
ですが、実際に背負うのは卵の時期だけで、孵化した幼虫はそれぞれ独り立ちしていきます。
ちなみに、背負うのはオス。
オスは卵が孵化するまで、卵を外敵からまもるだけでなく、卵が乾かないようにしたり、そうかといって水の中にじっとしていては卵が窒息するので外気にふれさせたりと、こまめに面倒をみます。

オオコオイムシはカメムシの仲間ですが、田んぼや湿地にはたくさんの種類の水生カメムシがいます。
タガメ(田亀)、タイコウチ(太鼓打)、ミズカマキリ(水蟷螂)、マツモムシ(松藻虫)、アメンボ(水黽)の仲間などもカメムシの仲間です。
中でも、体長6cmにもなる最大の水生昆虫・タガメは、環境省が絶滅危惧種に指定していて、全国各地で姿を消しています。
今では、世羅町を含めて、広島県内の多くの市町で見ることができません。
タガメ以外にも、タイコウチも減っているようです。

タガメやタイコウチが減少している原因は明らかにされていませんが、
カメムシの仲間には稲の害虫も多く、カメムシの被害を減らす殺虫剤の使用が害虫以外の水生昆虫にも影響しているのではないかともいわれています。

最近、国立環境研究所は、現在農家が使用している農薬のいくつかが、水田のヤゴの数を減少させているという研究結果を発表しました。「現在の農薬登録の枠組みにおいて審査を通過した農薬であっても、一部の野生生物に予期せぬ影響をもたらす可能性がある」というのです。

市販されている農薬は使用方法を守ってさえいれば、農家自身の健康や、農産物の安全性には問題がないとされています。
しかし、害虫以外の生き物などへの影響については、残念ながらわからないことが多いということのようです。

田んぼには多くの生き物が生息し、こうした生き物をエサにする生き物も多くいます。
こうした生きものに対する農薬の影響について、私も含め、農家は知る由もありません。
国立環境研究所が行ったような研究が、さらにひろがることを期待しています。
  1. 2016/05/17(火) 17:35:47|
  2. 昆虫
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コシアカツバメ(腰赤燕)


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▲巣の原料をとりに来たコシアカツバメ(腰赤燕)のつがい

せら夢公園には毎年2種類のツバメ(燕)がやってきます。
ひとつは、みんさんご存知のツバメ。
もうひとつが、腰の赤いコシアカツバメ(腰赤燕)です。

ツバメは元々あった巣を使っているので、既に卵を抱いています。

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▲トイレの入り口の内側に建築中のコシアカツバメの巣

一方、コシアカツバメは巣作りの真っ最中。
トイレの入り口で建設中の巣は、まだ3分2ほどしか出来ていません。
材料は公園事務所の窓越しに見える水溜り周辺の土です。
オス、メス二羽で、土をくわえては巣のある場所へ運んでいます。
ツバメの巣がおわん形をしているので壁や梁があれば巣をつくる事が出来ます。、
一方、コシアカツバメの巣を作る場所には、壁だけでなく天井や庇が必要です。
このため、橋の下やコンクリート建造物の軒下などが巣作りの場所になっています。
出来上がれば徳利を半分にわったような形をしていて、
ツバメの巣とは違って、卵を抱く親鳥も、孵化した雛も見ることはできません。
その分、ツバメの巣よりも土をたくさん使いますから、新築するとなると随分時間がかかります。

なんで同じツバメでこんなにも違う巣を作るのでしょうか。
ツバメが家の中に巣をつくる理由は、人を用心棒として外敵を避けるためだといわれています。
ここからは素人の推測ですが、ツバメと違ってコシアカツバメは、子育てのためとは言っても、どうしても人と一緒にいることは我慢できないのでしょう。
人という用心棒を雇わない代わりに、親鳥も雛も見えない、手の込んだ巣をつくることで、身を守ろうとしているのかもしれません。

毎年、多くの雛が日本で巣立ちます。
年に二回子育てをするツバメもいます。
ですが、そうそうツバメは増えません。
何故なら、ツバメは生後一年目で90%が命を失い、親鳥を含めると一年で60~70%も死んでしまうからです。

ツバメは人にもっとも近い場所で命をつなぐ野生の生き物のひとつです。
糞や泥という嫌な面もありますが、日本人は農作物の害虫を食べてくれる益鳥としてツバメを大事にしてきました。
これからも、うまく付き合っていきたいものです。

  1. 2016/05/15(日) 18:08:53|
  2. 鳥類
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ブッポウソウ(仏法僧)


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▲電線にとまるブッポウソウ。オスがメスに餌をやる求愛行動をとっているようにも見える。

午前中は地元の農事組合法人くろぶちで田植え体験のイベントあり、大勢の家族連れでにぎわいました。
毎年恒例のこのイベントも今回で8回目です。
田植えをしたあとは、みんな大好き、生きもの観察です。
管理人とこの春まで高校の生物の先生をされていた中島さんとが指南役となり、
近くの農業用水路でガサガサ、魚とりに興じました。
カワヨシノボリ、ドジョウ、イモリ、オニヤンマのヤゴなど、たくさんとれてみんな大喜びでした。

そのあと、管理人と中島さんは、7月2日(土)に行われるブッポウソウの観察会の事前準備ということで世羅町大見地区へ移動。
観察会で講師を務める三原野鳥の会の方に、営巣地やブッポウソウについていろいろ教えて頂きました。
幸運にも、初めての観察で数羽のブッポウソウを見ることができました。
  1. 2016/05/14(土) 17:33:08|
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ブタナ(豚菜)

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▲公園でも田んぼの畦でも、今一番目に目立つ黄色い花、ブタナ(豚)

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▲畔道に咲くブタナ

4月から今の時期にかけて公園で咲く花で一番多い色は黄色です。
セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)、ジシバリ(地縛)、ニガナ(苦菜)、コウゾリナ(顔剃菜)、オニタビラコ(鬼田平子)、カタバミ(酢漿草・片喰)、キジムシロ(雉筵)、コメツブツメクサ(米粒詰草)、ウマノアシガタ(馬の足形)、エンコウソウ(猿猴草)、
それと、今を盛りとブタナ(豚菜)が咲き誇っています。

このブタナ、タンポポに似た黄色い花をつけるのでタンポポモドキ(蒲公英擬)とも呼ばれていますが、タンポポとは別のグループの植物です。

ヨーロッパ原産で1930年代、牧草の種に混じって日本へ侵入したと言われており、今では全国に広がっています。

ブタナという名は、フランスでの俗名、Salade de porc (豚のサラダ菜)を和訳したのが由来です。
名前のとおり豚が好んで食べるようですが、フランス国内では野草として人も食べている地域があるようです。

この時期、せら夢公園でも、周辺の田んぼの畦や道端でも、大きな群落をつくって咲いていて、とても綺麗です。
畦でも道端でも、美しさにゆえに刈り残されていることもあるようです。

ですが、なんといっても外来種。
国は在来種、畑作物や牧草との競合、数種の虫やウイルスの寄主になり在来種や農作物が影響を受けるとして、生物外来生物法で要注意外来生物に指定しています。

畦には、ジシバリ、ニガナ、オニタビラコなど、日本在来の黄色い花をつける植物もたくさんあります。
ブタナは日本の隅々まで広がって定着していますが、駆除を広めていきたいものです。

【駆除の方法】
○駆除の方法
・抜き取るか刈り取って廃棄してください。

○時期
・種がつく前、花盛りの今です。

○見分け方(専門家ではない管理人でも明らかに他の黄色い花との区別がつきます)
・花は黄色でタンポポの大きさか一回り大きく、茎は枝分かれし、それぞれの先に花が咲く。
・茎には葉はつきません。葉は地ぎわで放射状にのびる根生葉だけです。

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▲ブタナの根生葉(ロゼット)
  1. 2016/05/12(木) 15:47:31|
  2. 植物(外来種)
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何(いず)れ菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)


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▲トンボ池の水辺に咲いたカキツバタ(杜若)

昨日は雨のせいにして自然観察園に行くのをさぼりました。
今日は雨は上がったので、伸び始めた草を刈ることにしました。
少し肌寒い一日でしたが、絶好の草刈り日和です。

と、トンボ池の水際と湿生花園に、一昨日には咲いていなかったカキツバタ(杜若)が咲いていました。
カキツバタといえば、直ぐに思いつくのは「何れ菖蒲か杜若」というあの文句。
ご存じのとおり、「どちらも甲乙つけがたいほど美しい」と言う意味ですが、
恥ずかしながら、これまで管理人はアヤメとカキツバタの違いを承知していませんでした。

というわけで、調べてみました。

○生えている場所
アヤメ ⇒ 草原、乾いたところ
カキツバタ ⇒ 湿地、水辺

○花の特徴
アヤメ ⇒ 花弁の基は網目状の模様
カキツバタ ⇒ 花弁の基に白色の目型模様

○葉の特徴
アヤメ ⇒ 細い葉で葉脈は目立たない
カキツバタ ⇒ 幅広で葉脈は目立たない

そういえば、この間まで咲いていたエヒメアヤメは、林縁の乾いた場所に自生しています。
肉眼でわかるぐらいの葉脈はあります。
花弁の基部の模様は網目にも見えます。

サイズはかなり小さいエヒメアヤメですが、
アヤメの特徴はしっかり持っているんですねぇ。

ちなみに、自然観察園にはもうひとつアヤメ科の植物があります。
それはノハナショウブ(野花菖蒲)。
咲くのはもう少し先のようです。

  1. 2016/05/11(水) 17:52:19|
  2. 植物
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雨の”ビオトーチ”


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▲”ビオトーチ”の東屋とオレンジの花を咲かせたレンゲツツジ(蓮華躑躅)

6月にせらワイナリーや自然観察園で開催する農業講座の打合せのために、世羅町田打にある農事組合法人さわやか田打(とうち)を訪問しました。
さわやか田打では田植えが始まったばかり、忙しい中、お時間をとっていただきました。

農業講座は全5講座、それぞれ、環境保全型農業、生物多様性をテーマにしていて、
ここ田打では、”生き物を守る田んぼの技術”の見学を行う予定にしています。

(農)さわやか田打の事務所で組合長や役員の方々との打合せのあと、実際に見学する”ビオトーチ”を覗いてみました。
”ビオトーチ”は、さわやか田打の組合員が中心となって田打地区につくった広大なビオトープの名前です。

ビオトーチの面積は水田だけで約1ヘクタール、田んぼ周辺の里山やため池をなどを含めるとさらに広い範囲で生き物の生息しやすい環境が地元の方々によって整備されています。

湿地として再生された耕作放棄田では、ハッチョウトンボ(八丁蜻蛉)やモートンイトトンボ(モートン糸蜻蛉)の羽化が始まっていて、雨の中でも、たくさんのトンボが観察出来ました。

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▲ハッチョウトンボのメス

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▲ハッチョウトンボのオス。赤く成熟するのはもう少し先です。

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▲モートンイトトンボのメス(未成熟)

また、畦では、昆虫のために刈り残されたノアザミ(野薊)が咲き始め、オレンジ色のレンゲツツジ(蓮華躑躅)も満開でした。

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▲いろんな昆虫の蜜源となるノアザミ

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▲レンゲツツジ。綺麗な花ですが毒があります。

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▲ため池と上の水路を魚が行き来できるように設置した水田魚道

ちなみに、このビオトーチはどなたでもご覧いただけます。
行ってみたい方は、お問い合わせください。
ただし、今は田植えの最盛期ですので、農作業の邪魔にならにようにマナーを守って散策してください。

ところで、農業講座の名称は少々硬いんですが、「”ゆめ農業”先端的環境保全型農業技術講座」。
近々にこのブログでもご案内しますので、みなさん是非ご参加ください。

  1. 2016/05/10(火) 15:27:07|
  2. 世羅台地の取り組み
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シマヘビ(縞蛇)とカラスヘビ(烏蛇)


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▲親とは似ても似つかないシマヘビ(縞蛇)の幼蛇(ようだ)

園内で見慣れない小さなヘビ(蛇)が目にとまりました。
長さ40センチ弱で、目立つオレンジ色をしています。
追いかけると、ブロック脇の茂みに隠れました。
そおっと草をかき分けて写真を撮り、事務所に帰って調べてみました。

見慣れない蛇の正体はシマヘビ(縞蛇)の幼蛇、つまり子どもでした。
それにしても、いつも見慣れているシマヘビとは随分と色も模様も違います。

管理人が一番良く目にするシマヘビは、世羅や御調の農家のほとんどが「カラスヘビ(烏蛇)」と呼んでいる黒化したタイプです。
シマヘビの名のもとにもなっているベージュに黒の縞模様のタイプには、何故かあまりお目にかかりません。
ましてや、こんな色のシマヘビを見たのは初めてです。

ちなみに、田んぼでよく見かけるヤマカガシ(山棟蛇)にも黒いタイプがいます。
こちらも、農家の多くが「カラスヘビ」と呼んでいます。
同じ黒色でも、よく見るとヤマカガシには特有の模様があるので簡単に見分けがつくのですが、ほとんどの農家は区別していません。

農家が気にする蛇はマムシだけ。
焼酎付けにする場合は生け捕りにして、そうでない場合は躊躇することなく殺します。
(78歳になる私の母もそうです)

アオダイショウ(青大将)も親子で見た目が異なり、子どもはマムシに似たまだら模様をしています。

それにしても、アオダイショウにしても、シマヘビにしても、なんで親子なのにこうも姿が違うのか、不思議ですねぇ。
根拠のない推測ですが、子どもはいろんな生き物から狙われますから、親と違う姿は精いっぱいの護身術なのかもしれません。

  1. 2016/05/09(月) 17:15:25|
  2. 爬虫類
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クマバチ(熊蜂)の婚活


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▲オスのクマバチ(熊蜂)。グラサンがよく似合う?

大型連休最終日、夢見山の滑り台の少し奥にある広場で、
クマバチ(熊蜂)のオスが何匹もブンブン音をたててホバリングしています。
目的はパートナーを見つけること、つまり婚活です。
メスが通りそうな場所に陣取って、ひたすらその時を待っています。
いい場所はどのオスも目をつけているようで、数メートル間隔で何匹ものオスがホバリングしていて、
ときに場所取り争いを繰り広げています。

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ちなみに、人間には無関心なようなので、かなり近寄って写真をとることができました。

  1. 2016/05/08(日) 17:20:31|
  2. 昆虫
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サクラハトサカフシ(桜葉鶏冠五倍子)


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▲サクラハトサカフシ(桜葉鶏冠五倍子)

公園に植えてあるヤマザクラ(山桜)にサクランボ(桜桃)がなっています。
お世辞にも美味いとは言えないサクランボですが、熟すと黒くなって食べることもできます。
と、葉の上に赤いナメクジのようなものを見つけました。
よく見ると、くっついているのではなくて、虫こぶのようです。
調べてみると、サクラハトサカフシ(桜葉鶏冠五倍子)という虫こぶでした。
文字通り、「桜の葉についたトサカ(鶏冠)のような虫こぶ」です。

虫こぶを作ったのは、サクラフシアブラムシ(桜五倍子油虫)。
春、山桜の越冬芽に産みつけられた卵から孵ったサクラフシアブラムシの仕業です。
幼虫はすべてメスで、葉が開き切る前に葉の裏の側脈の間に寄生し、虫こぶを作ります。
虫こぶの中で成長したサクラフシアブラムシは、やがて虫こぶの中で幼虫を産み始めます。

虫こぶの中で産まれた世代もすべてメスですが、今度は翅があって、5月から6月にかけて成虫は虫こぶから脱出し、ヨモギの葉裏で幼虫を産みます。

産まれる幼虫は今度もメスばかりですが、翅はありません。
その後、ヨモギで増殖を続け、秋になると翅のあるメスが現われます。
このメスがサクラへもどり、葉裏の主脈にオスとメス両方の幼虫を産みます。

この世代のメスは冬になる前に山桜の越冬芽に受精卵を産みつけす。
翌春、孵化した幼虫があの虫こぶをつくるというわけです。

う~ん、
先日紹介した、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)をつくるナラメリンゴタマバチ(楢芽林檎玉蜂)といい、虫の生き方は、まことに摩訶不思議です。

アブラムシの生活史を分かりやすく図案化したものが高知大学農学部のホームページに掲載されています。よろしかったら覗いてみて下さい。
  1. 2016/05/08(日) 16:44:12|
  2. 虫こぶ
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せら夢公園の爬虫類カメ目

本日晴天。
朝からせら公園は大賑わいです。
管理人は、午前中の涼しいうちに少し前に刈った草を片付けることにしました。

湿生花園と山林の間を通る小道の刈り草や落ち葉を熊手でかいていると、
クサガメ(臭亀)がでてきました。


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▲落ち葉の下から出てきたクサガメ(臭亀)

自然観察園で見られるカメの仲間は2種。
作業中に見つけたクサガメと、トンボ池でよく見るイシガメ(石亀)です。

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▲静かにしていると引っ込めた頭と足を出しました。

クサガメはその名の通り臭い匂いを出すことから名づけられました。
主に平地の河川やため池に生息し、田んぼもよく見かける亀です。

一方イシガメは、平地よりも山麓部に多く見られる亀です。
名前の由来はよくわかりませんが、甲羅は石のようにも見えるから???

亀を観察するのはとっても簡単です。
自然観察園のトンボ池では、今日みたいに天気のいい日には倒木の上で甲羅干している姿を観察できます。

変わり種もいます。
先日、甲羅干し中のカメの写真を撮っていると、イシガメに混じってイシガメとクサガメの両方の特徴をもったカメを見つけました。

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▲イシガメ(石亀)(右)と変わり種「ウンキュウ」(左)。甲羅が面白い。

イシガメの甲羅の後ろ側はギザギザになっています。クサガメにはギザギザはありません。

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▲甲羅干しするイシガメ(石亀)

一方、クサガメの甲羅には3本の隆起(キール線)があります。イシガメの甲羅はのっぺり。

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▲クサガメの甲羅。三本の隆起がありお尻の側にはギザギザが無い。

先日見つけた変わり種の甲羅は、後ろ側にギザギザがあって、しかも3本の隆起があるように見えます。
もしかしたら、イシガメとクサガメの雑種かもしれません。

自然の状態でもまれに発生することが知られており、イシガメに近いタイプ、クサガメに近いタイプ、両方の中間型など、
いろんなタイプの雑種がいます。
雑種でも繁殖力があるので、クオーターの雑種もいるようです。

こうした雑種は”ウンキュウ”とも呼ばれています。
名の由来は諸説ありますが、中国語で陸上や淡水に生息する亀を意味する「烏亀(ウーグェイ)」が変化してこう呼ばれるようになったといわれています。

以上は、自然観察園の亀のお話でしたが、せら夢公園には、もう二種類の亀も住んでいます。

公園管理センターで飼育している、ミシシッピーアカミミガメ(ミシシッピー赤耳亀)と、
スッポン(鼈)です。

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▲福岡生まれのスッポン(鼈)

スッポンは公園一の人気者です。

この連休中、公園の亀に会いに来ませんか?
  1. 2016/05/04(水) 15:17:43|
  2. 爬虫類
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エンコウソウ(猿猴草)とウマノアシガタ(馬の足形)


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▲エンコウソウ(猿猴草)

”山小屋”と呼ばれる倉庫わきの水辺で、見慣れぬ黄色い花が目につきました。
調べてみると、キンポゲ科リュウキンカ属に分類され、主に湿地や水辺などに自生するエンコ
ウソウ(猿猴草)でした。
名前に付けられた”猿猴”、河童のことかと思いきや、この場合はサル、それもテナガザル(手長猿)のこと。
なんでも、地を這う茎をサルの手に見立てて名付けられたそうです。
それにしても、妙な名前をつけてもらったもんですね。(管理人はそう思います)
もともと自然観察園にはなかった植物ですが、2009年にボランティアグループ”せら夢公園サ
ポーターズクラブ”が導入して定着しました。

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▲ウマノアシガタ(馬の足形)

園内では、同じ、キンポウゲ科の植物、ウマノアシガタ(馬の足形)も花を咲かせています。
いわゆるキンポウゲ(金鳳花)です。
”馬の足形”というのも面白い名前です。
根ぎわから生えている葉の形が、昔馬にはかせていたワラジ(草鞋)に似ていることが名の由来といわれています。
葉は、鳥の足にも似ているので”鳥の足形”と呼ばれていた時期もあるようです。

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▲ウマノアシガタの花で獲物を待ち伏せするハナグモ(花蜘蛛)

良く見ると、ハナグモ(花蜘蛛)が花の蜜や花粉も求めてやって来る昆虫を待ち伏せしていました。

そういえば、動物の名がついた植物は他にもいろいろありますねぇ。
同じキンポウゲ科では、田んぼの畦や水路でよく見かけるキツネノボタン(狐の牡丹)、なんてのもあります。

他にも、犬、猫、豚、象、リス(栗鼠)、羊などの哺乳類、鳥、魚、虫などなど、あげればきりがありません。

ちなみに、これまで初代管理人が園内で見つけた植物の種類は約200種です。
今度、名前(和名)に動物の名がついたものがいくつあるか、ブログで紹介したいと思います。
  1. 2016/05/03(火) 16:49:13|
  2. 植物
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世羅高原こども観光大使」御一行様にヒョウモンモドキをご紹介しました


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▲ヒョウモンンモドキ保護の会・須内さんにヒョウモンモドキや里山の生き物について説明していおただきました。

「世羅高原こども観光大使」御一行様がご来園。
ヒョウモンモドキ(豹紋擬)の保全について、ヒョウモンモドキ保護の会の須内さんに、蝶や里山の自然について紹介して頂きました。

さすが、世羅町の小学生だけあって、
ヒョウモンモドキのことは小学校で勉強していました。
  1. 2016/05/01(日) 13:08:42|
  2. 世羅台地の取り組み
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