FC2ブログ

せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

生態系を破壊し環境を悪化させるジャンボタニシによる「有機米」

janbotanishi-env1.png

janbotanishi-env2.png
↑ 環境省が作成したジャンボタニシに対する注意喚起チラシ

「三原市久井町の農家が田んぼにジャンボタニシを放して有機米を生産しようとしている。なんとかできないか」との相談を受けました。

掲載した環境省のチラシのとおり、ジャンボタニシは南米原産。

養殖して一儲けしようと考えた業者が日本に持ち込んだもののうまくいかず、ウシガエルと同じく野に放たれ、日本各地で分布を広げ、各地で稲やレンコン、イグサの食害が問題なっています。

また、在来の希少な植物も食害するなど、日本の自然への影響が懸念されています。

一方、水辺の草を食べるという生態に目をつけて、田んぼの雑草を食べてもらい、有機米を生産してる有機農家もいます。

もともとジャンボタニシが広がってしまっている地域ならいざ知らず、中には、わざわざ自分の田んぼにジャンボタニシを持ち込んで有機米を生産しようとする農家もすくなくありません。

最初は「田んぼの外へは出さないように管理するから大丈夫」といって始めるようですが、生息地が全国に広がっていることでも明らかなように、一旦田んぼに入れて増えてしまうと、コントロールはできなくなってしまいます。

「有機農業は環境にやさしく、安心安全な農産物を生産する」といわれます。

農薬を使わなければ残留農薬の心配はなくなるかもしれませんが、ジャンボタニシのような生き物を使ってしまっては、田んぼだけでなく、地域の自然環境までも破壊してしまいます。

実は、管理人は兼業農家。有機米を生産しています。

今年の2月、私も会員となっている広島県有機農業研究会では「イタリアと日本の有機農業に関する講演会を開催し、私もこれに参加してきました。

講師のイタリア人留学生のシモーナさんは、広島大学で持続可能な社会づくりの基盤となりうる諸規模有機農家の研究を行っています。

彼女の講演の中で、イタリアと広島の農家の有機農業に取り組む動機の違いに関する話が印象に残りました。

彼女の調査結果によれば、「広島の有機農家は、『食の安全』、『おいしさ』を重視しているのに対して、イタリアでは『化学物質による汚染防止』や、『自然保護』に重点を置いている」というのです。

日本の有機農家も環境のことを考えているとは思いますが、中には「農薬や化学肥料を使わず安全な食べ物が生産できる」とか、「農産物が高く売れる」ということだけに目を奪われている農家もいるかもしれません。

ジャンボタニシによる米作りが実行に移されるようなことがあれば、周辺の農家だけでなく、隣町で有機農業に取り組んでいる私にとっても大問題です。

有機農業の仲間や三原市久井町の方々と連携して思いとどまっていただくよう行動したいと思っています。






  1. 2018/04/27(金) 16:32:59|
  2. 動物(外来種)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

カブトエビ(兜海老)


kabutoebi20160601.png
▲水の取り入れ口に群がるカブトエビ(兜海老)。オタマジャクシ(御玉杓子、蛞)ではありません。

五日ぶりの更新です。
実は先週末に田植えをしました。
田植えが済むと農繁期も終わりとなるのが一般的ですが、我が家は引き続き田んぼの仕事が目白押しです。
農薬も化学肥料を使わない米づくりを行ために、10年以上、田植えが済んだ田んぼにはアヒル(家鴨)の雛を入れていますから、アヒルをキツネ(狐)や野良犬などの外敵から守るために、田んぼの周囲を網と電機柵で囲んでやらなくてはなりません。
この作業を、休日と出勤日の朝夕に少しずつやっています。
というわけで、連日田植えの終わった田んぼへ通っていて、ブログを更新する余裕がありませんでした。(言い訳)

ところで、田植えの終わったばかりの田んぼでは、早くもいろんな生き物が現われています。
そのひとつが、今日紹介するカブトエビ(兜海老)です。
海老という名前がついていますが、海老の仲間ではなくて、どちらかというとミジンコに近い生き物です。
2億年前の地層で化石が見つかっているので、生きた化石ともいわれています。
もともと日本にはいなかったようで、ここ100年ほどの間に、日本で確認されるようになりました。
アメリカカブトエビ、アジアカブトエビ、ヨーロッパカブトエビの3種類がいますが、見分け方がわからないので、うちの田んぼにいるのはどの種類かわかりません。

毎年田んぼに水を入れると卵から孵って、ひと月ほどたつと姿を消します。
その間、草の芽を食べたり、泳ぐときに土をまきあげ水を濁らすので、雑草を抑える働きもしてくれて、なかなかいいヤツです。
ですが、田植えをしないで種もみを田んぼに播いて米づくりを行うアメリカでは、カブトエビは籾から出た芽を食べてしまうので害虫として扱われています。
もともとは砂漠などの乾燥地帯の生き物なので、卵は乾燥に強く、水の無い田んぼで冬を越し、田んぼに水が入ると孵化するというサイクルを繰り返しています。
砂漠の生き物がどうやって日本にやって来たのかは定かではないようですが、卵が農産物に紛れてやってきたとか、進駐軍の靴の裏に卵がついていたとか、はたまた、黄砂と一緒に卵が飛んできたとか、諸説あります。

今のところ、雑草以外の他の生き物に悪さをするようなことは確認されていないので、オオクチバスやウシガエルの様な扱いをする必要はなさそうですが、そうはいっても外来種、さて、どうしたもんじゃろのう・・・・・
 

  1. 2016/06/04(土) 17:26:06|
  2. 動物(外来種)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0