せら夢公園 自然観察園ブログ

自然観察園、世羅台地の野山と田んぼからの日々のたより

害虫はどこへ行った?第2回ゆめ農業講座

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↑生き物調査で見つかったタイコウチの幼生。体長わずか5mmほど

今年2回目のゆめ農業講座を6月16日(土)、ビオトーチで行いました。

この日は、広島大学の博士課程で学ぶ留学生も特別に参加しました。

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↑有機農業や環境保全型農業の現場を調べる目的で参加した広大留学生の3人(右)

今回調査すのは、害虫のイネドロオイムシ(稲泥負虫)とイモチ病です。

前回同様、殺虫剤を使った田んぼも使わない田んぼでも、ともにイネドロオイムシもイモチ病も発見できませんでした。

イネドロオイムシの別名はイネクビホソハムシ(稲細首葉虫)。

イネドロオイムシは黒い糞を背中に背負った幼虫の姿から名付けられ、イネホソクビハムシは成虫の姿と葉を食べることからその名がつきました。

いずれも稲の葉を食べる害虫とされていますが、農薬を使用する際の基準は、稲一株当たり3~4頭となっています。

イネミズゾウムシの場合は100株中30株以上ですから、害虫力はかなり低い虫になります。

というわけで、害虫の調査はあっという間に終わり、次は田んぼの生きもの調査を行いました。

田んぼの畔際をたも網で5m×4ヶ所、少し土を削るように泥ごと生き物を採取していきます。

泥を良く洗い、網に残った生き物を調べてみると、小さいながらもいろんなものを採取できました。

【カメムシの仲間】
↓タイコウチ(幼生)2
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↓コオイムシ(幼生)6
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↓コミズムシ4
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↓アメンボの仲間4
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↓マルミズムシ1
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【甲虫の仲間】
ヒメゲンゴロウ

【トンボの仲間】
イトトンボのヤゴ、アカネ属のヤゴ2

【両生類】

シュレーゲルアオガエルなどのオタマジャクシ9
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【魚】
・ドジョウ

【貝の仲間】
ドブシジミ
↓ヒメモノアラガイ(50超)
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【その他】
・ユスリカの幼虫(アカムシ)、エラミミズ、不明な幼虫(ガムシの仲間?)
※数字のないものは数えていません

これら以外には、稲の株に赤トンボと思われるヤゴの抜け殻がちらほら見つかりました。

下見をした昨日はアキアカネ、今日は翅を乾かしているノシメトンボも発見しました。

田植えをしてから約一ヶ月、そろそろ羽化が始まったようです。

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↑アキアカネ(胸の黒い線で同定)

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↑ノシメトンボ(翅の先が黒いのが特徴)

ビオトーチで見つけたその他の生き物

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↑モートンイトトンボ

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↑モノサシトンボ

次回は7月14日(土)、中国大陸から飛来する害虫、ウンカを調べます。



  1. 2018/06/18(月) 15:10:31|
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収量・品質を落とさず農薬を減らす!?ゆめ農業講座2018

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5月19日の”ゆめ農業講座”では害虫”イネミズゾウムシ”を調べました。

今年の”ゆめ農業講座”のテーマは「収量・品質を落とさずに農薬を減らす」です。

5月19日の開講日には田植え後に被害をもたらす「イネミズゾウムシ」の発生状況を調べました。

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↑幼虫が根を食べて生育を阻害するイネミズゾウムシ。体長は2mmにも満たない。

100株中30頭のイネミズゾウムシが見つかると農薬を使用しなければ実害がでるとされています。

結果はどうだったかというと、殺虫剤を使用した田んぼも使用しなかった田んぼも、30頭はおろか1頭見つけるにも苦労するほどの少なさでした。

殺虫剤は使う必要がなかったことがわかりました。

地元世羅町に限らず、籾まきの時か田植えの際に日本のほとんどの田んぼで殺虫剤が使われています。

その多くは、病害虫が発生するかしないかわからない段階で予防的に使用されています。

つまり、必要だったのか、そうでなかったのかわからないままに使われているのです。

今回の”ゆめ農業講座”では、私や仲間の農家の経験と、志を同じくする専門家の知見や研究成果などをもとに、実害を出さずに減らすことができる農薬があることを受講生の皆さんに体験してもらうことを目標にしています。

宮城県立古川農業試験場は2年間は箱施用剤の殺虫剤を削減することが可能という研究成果を発表しています。

水稲の育苗箱施用剤における成分の削減がイネミズゾウムシ、イネドロオイムシの発生に及ぼす影響20170809
↑宮城県立古川農業試験場の研究結果

使う必要のない農薬の使用をやめることでコストを削減できます。

さらには、ヒョウモンモドキを赤トンボなどの田んぼや周辺の生き物へのダメージを減らすことにもつながります。

というわけで、6月16日(土)は第2回目となる”ゆめ農業講座”の開講日です。

殺虫剤の使用を止めた田んぼと、これまでどおり使った田んぼとを比較しながら、イネドロオイムシなどの害虫や田んぼの生きものの発生状況を調べます。 

引き続き受講生を募集しています。

  1. 2018/06/14(木) 14:56:46|
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ヒョウモンモドキ保全協議会総会

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今日はヒョウモンモドキ保全協議会の総会だった。

2017年度で一応の区切りがついた環境省からの支援が、金額は少なくなるものの、もう3年継続されることが報告された。

三原市や世羅町からの支援もあわせて、飼育や現在の生息地の整備、新たな生息地の整備に必要な資金が確保できたようだ。

とはいいながら、3年過ぎた後も保全活動は必要だ。

メンバーからは、「3年間は良いとしても、それ以降の生息地を管理する担い手をどう確保していくのかが大きな課題だ」との意見が出された。

「担い手」

何をやるにしても、担い手がいなければ営みは止まってしまう。

ヒョウモンモドキをはじめとして、農村の生き物を守る担い手として私が最も期待しているのは農家だ。

かつて、里山をにぎわしていた生き物たちの多くは、農家の営みに寄り添うように命をつないできた。

そうした生き物たちの多くは、農業や生活様式の変化、つまり、農家の自然への働きかけが大きく変わる中で、姿を消していった。

ヒョウモンモドキもそうした生き物の一つといえるだろう。

しかし、昔の農家たちは、生き物を守るために草刈りをしたり、米を作っていたわけではない。

農薬や化学肥料が発明される以前のやり方は、あえて選んだわけではないけれど、結果として自然へのダメージが少なかった。

あるいは、農家の営みに適応した生き物が生きながらえてきたというだけのことかもしれない。

とはいえ、昔の農家は、来年も再来年も、子や孫の代まで、身近な自然の恵みを絶やすことのないようなやり方を頑なに守っていたことは間違いない。

ひるがえって、今の農家はどうだろう。

孫子の代まで持続可能な農業、自然への働きかけをどれだけの農家が考えているだろう。

話がまわりくどくなってしまったけれど、ヒョウモンモドキの生息地の多くは農地だ。

今は放棄されているが、かつては稲が植えられており、農家の営みに寄り添って彼らは命をつないでいた。

ヒョウモンモドキだけではない。

農村の生き物を今のような危機的な状況から脱出させるには、身近な生き物のことを心にとめるような農家の存在が必要だ。

今週末6月16日(土)は、今期第2回目となるゆめ農業講座の開講日。

1人でも多くの農家の皆さんが参加してくれるよう、引き続き皆さんに声をかけようと思っている。



  1. 2018/06/13(水) 18:06:09|
  2. ヒョウモンモドキ
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モリアオガエルの卵塊

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↑コガマに産み付けられた卵塊

今日は、7月の里山セミナーで講師をお願いしている下田路子さん(元常葉大学教授)に自然観察園の下見をしていただきました。

と、アサザの生い茂る池にあるコガマの群落の中にモリアオガエルの卵塊が二つ見つかりました。

初めて卵塊が確認できてから数年の間、毎年6月20日頃に同じ池の柳に産み付けられていました。

ことしももうじき卵塊が見つかるだろうと思っていましたが、コガマの群落はノーチェックだったので危うく見落とすところでした。

実は、この春、柳の木にはヤナギハムシ(柳葉虫)が大発生し、例年より葉が少ない感じになっていました。

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↑蛹から羽化したばかりのヤナギハムシ(5月12日)

これが影響したのでしょうか?
  1. 2018/06/11(月) 17:38:08|
  2. カエル
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ブッポウソウが営巣した!

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園内に初めて設置した巣箱にブッポウソウが営巣したようです。

昨日の夕方、園内に設置した巣箱のそばを歩いているとブッポウソウの姿を見かけました。

さっそく事務所に戻り、防犯カメラで巣箱をフォーカスしておきました。

今朝ビデオを確認すると、ブッポウソウが写っていました!

時間は昨日の5時ごろ。

園内で見かけた15分後の映像です。

上の写真で、巣箱の右側に青色のぼやっとしたのが巣に戻ってきたブッポウソウ。

もう一枚の写真(下)は、同じブッポウソウが巣箱にとまっている様子です。

しばらく入口に止まり、そのまま飛び立っていきました。

卵を抱いている雌に餌を与えているのかもしれません。
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いろんな方に聞いてみると、ブッポウソウは住宅難。

このあたりはブッポウソウ密度が高いところなので、さっそく入ってくれたのでしょうか。

7月8日(日)には世羅町大見自治センターで恒例の観察会を行います。

お時間ある方は、自然観察園のブッポウソウも観察していただこうと思います。

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  1. 2018/06/09(土) 09:04:51|
  2. 鳥類
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